「最近、電子工作を始めたいんですが、ESP32ってなんでそんな人気なんですか?」
そんな質問をよくもらうようになりました。
確かに今の電子工作界隈は、YouTubeでも書籍でもSNSでも「ESP32」の名前を見ない日はないほど。
Arduinoが中心だった時代から、気づけばトレンドの中心はESP32へ移ってきています。
でも、なぜこんなに人気なのか?
スペックが高いから、安いから……という理由だけでは、正直説明が足りません。
この記事では、電子工作好きであり、子育て中のパパとしてもガジェットを作ってきた私の視点から、
「ESP32がここまで人気になった本当の理由」
を、Arduinoとの比較も交えながらお話ししていきます。
■ Arduinoは“学び”、ESP32は“生活”を変える
まず最初に整理しておくと、ArduinoにもESP32にもはっきりとした得意分野があります。
● Arduino:とにかく教育向け・初心者向けに強い
ボタンを押してLEDを点ける。
センサー値を読み取る。
モーターを回す。
――このあたりの “電子工作の基礎” を学ぶには、Arduinoは今でも最強の教材です。
回路もシンプルで、余計な機能がないぶん「何が起きているか」が理解しやすい。
子どもに教えるときも扱いやすいので、私も娘たちとLEDを光らせて遊んだ時はArduinoを使いました。
Arduinoは「基礎」や「学び」に向いている。
ここは今も変わりません。
● ESP32:生活に溶け込む“実用ガジェット”の王様
一方でESP32は、
Wi-Fi/Bluetoothが最初から使える、安い、速い、できることが多い
という特徴があります。
これが圧倒的に大きい。
- スマホと連携
- 家の中の温湿度を記録
- 音を再生
- Webアプリと連動
- 家族の行動に合わせて自動動作
「生活の中で“使える”ガジェットが作れるか?」という視点では、ESP32は完全な別次元。
Arduinoでは“教材”だった電子工作が、
ESP32では一気に“実用品”になる。
これがESP32の人気を押し上げた大きな理由です。
■ 人気の理由①:スマホ連携で“生活が変わるガジェット”が作れる
今の生活って、ほとんどがスマホ中心ですよね。
タイマーも、ライトも、メモも、音楽も、全部スマホにあります。
ESP32はこのスマホと 最も簡単に、最も自然に繋がるマイコン なんです。
たとえば私が作った「お風呂時間タイマー」も、ESP32ならこう発展できます。
- スマホアプリでタイマー時間を設定
- 子どもが“残り何分か”スマホでチェック
- 入浴中の温度ログを保存
- 終了したらスマホに通知
こうなると、もはや市販品を超えた“家庭専用の便利ガジェット” になります。
Arduinoだとここはどうしても難しい。
ここが決定的な差です。
■ 人気の理由②:統合度が高く、DIYの幅が桁違いに広がる
ESP32は、最初から色々な機能が“内蔵”されています。
- Wi-Fi
- Bluetooth
- 高速CPU
- 多めのメモリ
- 低消費電力モード
- タッチセンサー入力付きのモデルもあり
電子工作をやっていると、
「Wi-Fi使うなら別基板を買う」
「Bluetoothモジュールを追加する」
なんてことをたくさん経験します。
ESP32なら全部一体型で済む。
しかも価格はArduino Unoより安いという衝撃。
こうなると
「ESP32だけで何でもできちゃう」
という便利さが、そりゃもう人気になります。
私自身、もはや「迷ったらESP32を使う」という感覚になっています。
■ 人気の理由③:市販IoT製品がこぞってESP32を採用する時代へ
実はここ数年で、市販品でもESP32の採用例が激増しています。
- スマート家電
- スマートロック
- 温湿度モニター
- スマートリモコン
- 学習デスクのIoT化製品
つまり
ESP32は“プロの現場でも普通に使われている”レベルになった
ということ。
これが何を生むかというと……
🔥 →「市販品レベルのものがDIYできる」という夢が現実になる!
これがESP32の爆発的な人気の理由の一つ。
Arduinoではどんなに頑張っても、市販品の領域までは届きにくかった。
しかしESP32は、「ディスプレイを付けて」「音楽を鳴らして」「Wi-Fiで管理して」…という
市販品と同じ体験 を個人で作れてしまう。
これは本当に革命的でした。
■ ArduinoよりESP32が優れている“未来性”とは?

では、ESP32の“未来性”とは何か。
私の考えとしては……
✦ ① すべての家庭が“ちょっとだけスマートホーム化”する流れは止まらない
今は家中で「ちょっとスマホと繋がると便利」なものが増えてきています。
- 湿度アラート
- 学習タイマー
- 部屋の明るさ自動調整
- 子どもの行動ログ
- ドアの開閉検知
- 使いすぎ防止タイマー
こういう“欲しいけど市販品は高い”ものって、実はESP32だと作れます。
しかも安い。
つまり、
家庭DIY × ESP32は今後さらに需要が増える
と考えています。
✦ ② 子どもの学びと直結する「家庭内STEM教育」の中心になり得る
Arduinoは基礎を学ぶのに良いですが、
ESP32は“子どもがワクワクする仕掛け”との相性が抜群です。
- 音が鳴る
- アニメーションを表示
- スマホと連動
- スマート家電っぽい動き
これ、子どもは本当に食いつきが良い。
「変数を学べるミニゲームを作りたい」というあなたのテーマも
ESP32があればもっと未来のかたちにできます。
子どもが未来の技術と触れられる環境を家庭で作れる。
これはArduinoにはできない領域です。
✦ ③ ESP32は“電子工作のOS化”する可能性がある
これは少し大きな話ですが、ESP32は今や
IoTガジェットの標準プラットフォーム
になりつつあります。
- 開発環境が充実
- 周辺のライブラリが豊富
- YouTubeやブログでの情報量が圧倒的
- 新モデル(S3/C3/S2)が次々登場
もはや「ArduinoかESP32か」という選択ではなく、
“ESP32のどのモデルにしようか”
という選び方になってきています。
これが未来性の一つです。
■ では結局「ArduinoとESP32の違い」は何か?

最後にシンプルにまとめると……
● Arduino
- 理解しやすい
- 教育向け
- 基本を学ぶのに最適
- 子どもとLEDを光らせるならこれ
● ESP32
- スマホ連携が簡単
- Wi-Fi/BLEが強い
- 家庭の“実用ガジェット”向け
- 市販品レベルの機能をDIYできる
- 未来性が高い
つまり、
🔵 Arduinoは“教材”、ESP32は“実用品”へつながる未来のプラットフォーム。
どちらか一つが優れているのではなく、
用途がまったく違う。
そして今、
生活の中で役立つガジェットが欲しい人が増えたため、ESP32が選ばれている。
これが「ESP32がなぜここまで人気なのか?」の答えです。
■ おわりに:ESP32は“家庭DIYの中心”になる
私は、子育ての中でさまざまなガジェットを作ってきました。
その中で感じるのは、
ESP32は「家族の生活を少しだけ便利にするガジェット」を作るのに最適な存在
だということ。
- お風呂タイマー
- 録音メモ装置
- ゲーム
- 子ども向けアラート
- スマートライト
全部ESP32ならもっと手軽に、もっとすごくできます。
Arduinoがあったから基礎を学べた。
ESP32があるから生活が変わる。
そういう関係だと、私は思っています。


