電子工作初心者が安全に電池を選ぶ方法|Arduino・ESP32対応の完全ガイド

初心者向け解説

「Arduino用の電池はどれを選べばいいの?」
「ESP32で電池が すぐなくなる原因は?」
「電子工作で安全な電池の使い方を知りたい」

そんな電子工作初心者の疑問を、この記事で解決します。
間違った電池選びで部品を壊してしまう前に、正しい知識を身につけましょう!

なぜ電子工作で電池選びが重要なのか?

電子工作において、電池選びの失敗は致命的になりかねません。
例えばこんな事が…

  • 電圧不足でArduinoが正常に動作しない
  • 電池がすぐになくなって作品が使い物にならない
  • 間違った電池で回路が壊れる
  • 危険な電池の使い方で火災のリスク

これらの問題を避けるために、安全に使える電池の選び方をマスターしましょう。

【基礎知識】電子工作初心者が覚えるべき電池の基本

電圧(V)とは?初心者向け解説

電池には「1.5V」「3.7V」などの数字が書かれています。
これが電圧で、電子部品を動かす「力の強さ」です。

重要なポイント

  • Arduino Uno = 5Vで動作(実際は4.5V〜5.5Vの範囲)
  • ESP32/ESP8266 = 3.3Vで動作
  • LED = 約2〜3Vで光る
  • 電圧が合わないと部品が壊れる可能性有り

知っておくべき2つの電池タイプ

使い捨て電池(一次電池)

  • 一度使ったら捨てる
  • コンビニや100均で買える

充電式電池(二次電池)

  • 何度も充電可能
  • 経済的だが扱いに注意
  • 慣れてから使用推奨

Arduino初心者におすすめの電池選び【安全重視】

【最もおすすめ】単3アルカリ乾電池4本セット

なぜArduino初心者におすすめ?

  • どこでも買える(コンビニ・100円ショップ)
  • 安全性が高い
  • 配線が簡単
  • 失敗しても被害が少ない

例えばArduino Uno ではこんな感じになります👇

単3電池4本を直列接続 = 6V
↓
Arduino Unoの電源端子に接続
↓
内部で5Vに自動調整される

必要な部品

  • 単3アルカリ乾電池 × 4本
  • 4本用電池ボックス
  • DCジャック付きコード(または直接配線)

動作時間の目安

  • LED点滅プログラム:約50時間
  • 温度センサー表示:約30時間
  • LCDディスプレイ付き:約15時間

【手軽さ重視】9V角形電池

メリット

  • 1本でArduino Unoが動く
  • 配線が最もシンプル
  • 持ち運びやすい

デメリット

  • 電池代が高い(1本500円程度)
  • 動作時間が短い(約5〜10時間)
  • モーター制御には不向き

こんな時に使う

  • プログラムのテスト時
  • 短時間のデモンストレーション
  • 配線を簡単にしたい時

ESP32初心者が安全に使える電池選び

【推奨】3.7Vリチウムイオン電池(保護回路付き)

ESP32は3.3Vで動作するため、3.7Vのリチウムイオン電池が最適です。

必ず「保護回路付き」を選ぶ理由

  • 過充電を防止(4.3V以上になると危険)
  • 過放電を防止(2.5V以下で電池劣化)
  • 短絡保護(ショート時の発火防止)

初心者向け安全な使い方

  1. 18650型保護回路付きを購入
  2. 専用充電器を使用(USB充電は避ける)
  3. 電圧監視プログラムを必ず実装
  4. 60℃以上になったら使用中止

WiFi使用時の注意点: ESP32でWiFi通信すると瞬間的に大電流が流れます。
単3アルカリ電池では電圧降下でリセットが頻発するため、リチウムイオン電池が必要です。


ESP32で電池がすぐなくなる原因と対策

よくある原因

  1. WiFi常時接続
  2. ディープスリープ未使用
  3. 不要なLED点灯
  4. プルアップ抵抗値が小さい

対策プログラム例はこちら👇

// 電池長持ちESP32プログラム例
#include <WiFi.h>
#include "esp_sleep.h"

void setup() {
  // WiFi接続後、すぐに切断
  WiFi.begin("SSID", "PASSWORD");
  // データ送信処理
  WiFi.disconnect(true);
  WiFi.mode(WIFI_OFF);
  
  // 60秒間ディープスリープ
  esp_sleep_enable_timer_wakeup(60 * 1000000);
  esp_deep_sleep_start();
}

電子工作でモーターを安全に動かす電池選び

【推奨】単3ニッケル水素充電池4本

なぜモーター駆動におすすめ?

  • 大電流放電が可能
  • 電圧降下が少ない
  • 何度も充電可能
  • アルカリ電池より安全

使用例

単3 Ni-MH電池 4本直列 = 4.8V
↓
モータードライバIC(L298Nなど)
↓
DCモーター

注意点

  • モーター用とマイコン用の電源を分離
  • 逆起電力対策(ダイオード追加)
  • 電流制限抵抗の追加

初心者が避けるべき危険な電池の使い方

❌ やってはいけないこと

1. リチウム電池の過充電

  • 満充電(4.2V)を超えると発火リスクが有ります。
  • 必ずタイマー付き充電器使用
  • 充電中は目を離さない

2. 電池の+/-を間違える

  • 一瞬で部品が壊れる
  • 電池が発熱する危険
  • 必ずテスターで極性確認

3. 電池のショート(短絡)

  • 導線が直接+/-に触れる
  • 電池が高温になり危険
  • 必ず絶縁に注意

4. 古い電池の混用

  • 新旧電池を混ぜて使う
  • 液漏れの原因
  • 電圧不安定でマイコンリセット

作りたいもの別:初心者向け電池選択ガイド

【初心者】LED点滅回路

推奨電池:単3アルカリ2本(3V)
理由:安全、簡単、低コスト
動作時間:約100時間
必要部品:LED、抵抗、電池ボックス

【初心者】Arduino温度計

推奨電池:単3アルカリ4本(6V)
理由:Arduino Unoに最適、長時間動作
動作時間:約30時間
注意点:LCD使用時は動作時間短縮

【初級者】WiFi温度ロガー(ESP32)

推奨電池:18650リチウムイオン(保護回路付き)
理由:WiFi通信に必要な大電流対応
動作時間:約24時間(1分間隔送信)
必須:ディープスリープ実装

電子工作初心者のための電池トラブル解決法

「Arduino が動かない」トラブル

全く動かない場合

  1. 電池の電圧をテスターで測定
  2. +/-の極性確認
  3. 配線の接触不良チェック

時々リセットする場合

  1. 電池電圧の変動チェック
  2. 大容量コンデンサ追加
  3. より大容量の電池に交換
  4. 電源とGNDの配線を太くする

「電池がすぐなくなる」問題

  1. 不要なLED → 消費電流大(約20mA)
  2. プルアップ抵抗値 → 1kΩ未満は避ける
  3. WiFi常時接続 → 間欠送信に変更
  4. ディープスリープ未使用 → 必ず実装

電流測定方法はこちら👇

テスター設定:DCアンペア(mA)
接続:電池+ → テスター → 回路
正常値:待機時1mA以下、動作時50mA以下

「充電できない」リチウム電池

  1. 過放電状態 → 新しい電池で交換
  2. 充電器の故障 → 別の電池でテスト
  3. 接触不良 → 端子の清掃
  4. 温度異常 → 常温で再試行

安全な電子工作のための電池管理法

日常的な安全チェック

毎回の使用前はこちらをチェック!

  • 電池の外観チェック(膨らみ・液漏れ)
  • 電圧測定(正常範囲内か)
  • 接続部の清掃

定期的なメンテナンスはこちらをチェック!

  • 充電池の容量チェック
  • 充電器の動作確認
  • 古い電池の適切な廃棄

緊急時の対応

電池が異常加熱した場合

  1. 即座に電源切断
  2. 不燃性の場所に移動
  3. 冷却(水は使用禁止)
  4. 完全に冷めるまで監視

液漏れが発生した場合

  1. 素手で触らない
  2. ゴム手袋着用
  3. 中性洗剤で清拭
  4. 十分な換気

まとめ:電子工作初心者の電池選び成功法則

電子工作初心者が安全に電池を使うための重要ポイント

学習ステップ

  1. 超初心者:単3アルカリ電池でLED点滅
  2. 初心者:Arduino + 単3電池4本で温度計
  3. 初級者:ESP32 + リチウムイオン電池でIoT
  4. 中級者:ニッケル水素電池でモーター制御

絶対に守るべき安全ルール

  • 電池の極性確認は必須
  • 保護回路付きリチウム電池を選択
  • 異常時は即座に使用中止
  • 適切な充電器の使用

失敗を避けるポイント

  • 最初は安全な単3電池から開始
  • 電圧と電流の基本を理解
  • トラブル時の対処法を事前学習
  • 段階的にレベルアップ

この記事を参考に、安全で楽しい電子工作を始めましょう。

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